正確には、最高峰に位置する天狗岳(てんぐだけ・標高1,982メートル)、石鎚神社頂上社のある弥山(みせん・標高1,974メートル)、
南尖峰(なんせんぽう・標高1,982メートル)の一連の総体山を石鎚山と呼びます。
古来より山岳信仰の山として、奈良時代には修行道場として知れ渡りました。
かつては弘法大師空海も修行したと伝えられており、山岳仏教や修験道が発達しました。
弥山まで3箇所の鎖の行場があり、下より「一の鎖」(33メートル)、「二の鎖」(65メートル)、
最後は「三の鎖」(68メートル)と続き、「三の鎖」を登り切ったところに奥之宮頂上社が鎮座しています。
鎖で登れない方には、通常の登山道である迂回路もあります。
また、「一の鎖」の手前に前社ヶ森(1,592m)の岩峰にかかる「試しの鎖」(67メートル)があり、
この鎖を登り下りできれば、一、二、三の鎖を登ることができるといわれています。
鎖の掛けられた時代については確実な文献が残っていませんが、
安永8年(1779年)に掛け替えた記録があり、これ以前に掛けられていたことは事実です。
頂上の弥山から眺める天狗岳の屹立している姿は、他を寄せ付けない厳しさと神々しさを感じさせてくれます。
天候の良い日には、波穏やかな瀬戸内海、多島美あふれるしまなみ海道、
見晴らしのよい日には徳島県の剣山、また大山を始めとする中国山地、九州の九重連山
さらには土佐湾(太平洋)まで望むことができます。
愛媛県の西条市と久万高原町の境界にあり、古くから山岳信仰(修験道)の山として多くの人々から、篤い崇敬を受けています。
また、日本百名山、日本百景、日本七霊山のひとつとされ、
石鎚山脈の中心的な山であり、国定公園にも指定されています。